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[8]茗荷宿 ~弥次喜多道中記より~

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『木曽街道続膝栗毛三編下巻』(十返舎一九作、文化九[一八一二]年刊)
続膝栗毛 3編 木曽街道膝栗毛 下 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。



【原文】

 明日の朝も茗荷《ミやうが》ばかり炊かんせ。
 何じやあろと、茗荷やつと食ふと物忘れしよるげな。
 敵等《てきら》に茗荷食ハして、仏壇《ぶつだん》の金《かね》忘れさするつもりじや」
女房「ホンニ、あの金忘れて往《い》んだら、儂《わし》が此中《こんぢう》の袷《あハせ》、請けて下さんせ」
亭主「其ればかりじやない、小《ち》つさめにも一枚着せてやろわい」
女房「そしたら、隣の婆様《ばさま》の弐百も戻《もど》さんせ」
亭主「麦一俵《むぎいつぴやう》買《か》ふておこかい」
女房「ワシの湯文字《いもじ》も遠《とふ》からない。
 紺《こん》の布《きれ》四尺、買《か》ふて下んせ」

白雲《しらくも》に包む枕に呼子鳥《よぶこどり》 堂嶌米彦



【現代語訳】

亭主
「明日の朝もミョウガばっかり炊きなされ。

 なんでも、ミョウガをたくさん食べると、物忘れをしよるそうじゃからな。
 やつらにミョウガを食わせて、仏壇の金を忘れさせるつもりじゃ」

女房「ホント、あの金を忘れて行ったら、ワシの今シーズンの着物を買ってくださんせ」

亭主「それだけじゃない、小さい息子にも一枚買って着せてやるわい」

女房「そしたら、隣の婆様に借りた二百文[(一両十万円で計算すると)5千円]も返してくださんせ」

亭主「麦も一俵、買っておこうか」

女房「ワシの腰巻も用意できますな。
 紺の布を四尺[約一二〇センチ]、買ってくださんせ」


◆枕をまるで白雲に包まれたようにぐっすり寝ていたら、ホトトギスの鳴き声で起こされたよ 堂島米彦



【解説】

 はい、宿屋夫婦は、弥次喜多の二人にミョウガをたくさん食べさせて、預けたお金を忘れて行かせようとしたわけです。

 皮算用をする夫婦の会話が滑稽ですね。
 さて、宿屋夫婦の企《たくら》みは成功するのか?
 まあ、成功したところで、本当はお金じゃなくて石なのですが(笑)

 完全に茗荷宿のお話を踏襲してますが、弥次喜多ワールドで見事にアレンジがされています。

 次回でおしまいですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

 

 はい、北見花芽に着物を買ってあげたよ ヾ(๑╹◡╹)ノ"

 うわあ、蚊の目玉の柄じゃないか!ヾ(๑╹◡╹)ノ"

これは着物じゃなくて、キモい物!ヾ(๑╹◡╹)ノ"


 

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